株式会社クラフト・ハウス - 「夏も冬も気持ちの良い家」を造っています -

019-613-3477

紫波町M様邸

岩手県紫波町M様邸

周囲を田んぼに囲まれ、ホタルの住む小川がすぐ近くを流れる自然豊な立地です。
お施主様が以前住んで貸家が結露とカビがひどかったため換気については熟慮し、更に光熱費を大幅に削減する工夫をした物件です。

敷地面積 318.20㎡
建築面積 74.22㎡
延床面積 116.95㎡(35.3坪)
規模 木造2階建
家族構成 1世帯3名
施工 2014年9月
その他 住宅省エネラベル
sekourei07_pers

140929_0001

140929_0015新築の際、お施主様は冬の間の光熱費の削減をテーマの一つにしていました。そこでご提案したのが太陽集熱システムです。
屋外に設置した太陽集熱パネルを通じて、太陽光の力で水道水を温めお湯を作る自然エネルギーを利用したエコシステムです。

屋根の上に設置することも検討しましたが、冬に積雪によってパネルが機能しないのはもったいないとのことで、除雪ができるよう写真のように低い位置に設置しました。

ご近所の方からは太陽光発電と間違われることがよくありますが、あくまでもお湯を作るためのパネルで、発電はしません。

140929_0018近年、ゴミの分別化が進み、燃えるゴミや空き瓶空き缶だけではなくペットボトル、プラスチックゴミ、紙などいくつもの種類に分別して出す自治体が増えてきました。
それに伴って台所にもスペースを広く取る必要が出てきて、実は困っているというお話を至るところで聞くようになりました。

そこで玄関は、向こう側の勝手口を兼ねるようにしました。

分別したゴミは勝手口を広く使って置いておくことができますので、台所は本来の用途に広く使うことができます。

また、買い物してきたものをそのまま台所へ入れたり、リビングを通らずにそのままゴミを出したりと、とても好評です。

140929_0020玄関を上がると正面に階段があります。二階へ上がる家族の顔をリビングから見えるように配慮しています。

階段部分は採光のための吹き抜けになっていますが、2階で勉強する息子さんと台所で夕飯支度をする奥様とが離れていても会話ができるようになっています。

140929_0026

140929_0031

1階リビングの床は無垢の県産材を使用しています。壁紙はオガファーザーの紙でできた壁紙を採用しています。

南向きで陽当りがよく、階段下に洗濯物を干すことができるよう工夫しています。

将来のことも考え、1階には和室を備えました。

キッチンは奥様のご希望でグリーン系にしました。IHクッキングヒーターは掃除がとても楽です。

140929_0037

140929_00452階のフリースペースにはご家族が並んで座れるスペースを設けました。
ご主人や奥様はお仕事を、お子さんは勉強をできるスペースです。
南に面しているため、行き来する車や登下校する子どもたちも見ることができます。

子供部屋です。
基本的にはリビングやフリースペースで過ごし、子供部屋は寝るためのスペースであることを前提にした間取りにしています。

窓は断熱性に優れたトリプルガラスの木製サッシを採用しました。
冬でも結露することなく、パネルヒーターの輻射熱で快適に過ごすことができます。

140929_00402階のフリースペースに設置された第一種換気システムです。

メンテナンスが容易に行えるよう、低い位置に設置しました。
システムのメンテナンスは半年に1回程度、金属素子に付着したホコリなどを掃除機で吸い取るだけです。また、フィルタは中に2枚設置されており、1年に1回程度交換を行います。

この換気システム、冬は排気する空気と給気する空気の間で熱交換を行います。冬の場合、家の中が22度程度であれば、氷点下5度の外気が16度程度に暖められて家の中に給気されます。温度と一緒に湿度も交換しますので、室内の温度も湿度も一定に保つことができます。

上半分はスペースを有効活用するために本棚を据え付けました。壁に据え付けられているのはパネルヒーターです。

南側に面して開けた立地ですので、冬でもパネルヒーターは温度を低めに設定してお使い頂くことで光熱費削減が可能になりました。

140929_00472階のロフト部分に設置したエアコン。

通常タイプより一回り大きな家庭用タイプのエアコンですが、これ1台で冷たい空気を家中に届けます。

エアコンの吹き出しは、換気システムの給気側のダクトに接続されており、家中に涼しい空気を届けることが可能なように工夫しました。

風通しの良い立地でエアコンを使う期間は一年の中でも実質1ヶ月半程度ですが、秋口の朝晩肌寒くなってきた時期は暖房としても利用できます。

140929_00361階の脱衣所に設置した太陽集熱蓄熱槽(左)とヒートポンプ(右)です。

外に設置された太陽集熱パネルで暖められたお湯をこの太陽集熱蓄熱槽に貯めます。9月から10月の一番日差しが強い時期、晴れた日はお湯が60度程まで暖められます。冬の場合でも天気が良ければ30度程まで暖められることもあり、給湯に足りない分は灯油で暖めます。

水温5度の水道水を42度まで温めるよりも少ないエネルギーで給湯することができるため、冬の光熱費特に灯油代の削減に寄与します。

ヒートポンプは、これ一台でパネルヒーターを通して家の中全体を温めます。家の性能が高いため、パネルヒーターの設定温度は低めでも十分、更にタイマーによって一日のうちでも稼働時間を数時間にすることによって冬の電気代の削減をすることが出来ます。

インタビュー

-新築時のコンセプトやこだわった点を教えて下さい。

我が家では大きく2点に絞りました。
1つ目は光熱費を少しでも安くするために性能を重視したこと、2つ目は以前住んでいた貸家が結露とカビがひどかったので換気に重点を置いたこと、この2点でした。

新築前は2階建て築15年の貸家に住んでいました。
一番寒い1月・2月に光熱費(電気代・灯油代・ガス代)だけで月に3~4万円近くかかっており、尚且つ電気代や灯油代・ガス代など光熱費全般がこの先も値上がりが続くであろうと考えていたので、これを削減したいと考えておりました。また、冬は家中いたるところで結露やカビがひどくとても不快な思いをしていました。

新築の際にはこれらをなんとか克服したい、と考えていました。

-新築されたご自宅で暮らしてみて、感じたことを教えて下さい。

太陽集熱とパネルヒーターのお陰で冬の快適さは予想以上でした。
一番寒い1~2月でもパネルヒーターは弱めに設定し、タイマー機能を使って一日の稼働時間は4時間程にしましたが、室内は家のなかどこにいても20~23度、天気が良くて陽が射す日は25度くらいになる時もあります。

小学生の息子は夜暑いようで、冬でも掛け布団を蹴飛ばして毛布一枚で寝ています(笑
以前暮らしていた貸家では考えられない快適さです。

また、断熱性能が良いことで防音性能が高くなり。外の「音」が気にならなくなりました。
消防署から比較的近いのですが、救急車や消防車のサイレンが家のすぐ前の道路まで来てようやく聞こえる程です。これは嬉しい誤算でした。

P6121000Q:ご家族の反応は如何ですか?

小学生の息子は学校から帰ってくると2階の共有スペースで勉強をしています。
子供部屋もありますが、勉強は常にここでやるという習慣が付きました。子供部屋にいる時は勉強以外で遊ぶ時くらいです。

1階と2階が吹き抜けでつながっていますので、1階で夕食の準備をしている家内と2階で勉強している息子が会話することができるようになりました。息子のお友達が来て一緒に遊んでいるときも、1階にいながら2階の様子を音である程度把握できますので、とても安心できます。

玄関と勝手口を兼用にしたことは、家内にはとても好評でした。
燃えるゴミの他、ペットボトルや包装紙、プラスチックなどゴミの分別が細かい地域ですので、これらを置く場所が確保できたことはとても良かったです。

-光熱費は毎月どれくらいですか?

太陽集熱パネルのおかげで、以前暮らしていた借家と比べて大幅減です。
電気代は一番寒い1月で約2万円、エアコンを使う8月は1万3千円程、平均すると月1万円程です。灯油代は年2回の給油、合計3万円程です。
年間を通じて見ると平均光熱費は月1万4千円、借家の時の約半分になりました。

kounetsuhi

夏から秋にかけては、太陽集熱パネルを通して暖められるお湯が60度くらいになるため、灯油をほとんど使わずにお風呂に入れる日もあります。冬は天候に左右されますが、晴れて日が差せばお湯が30度程まで温まります。補助的に灯油ボイラーを使っていますが、年間を通じて200リッターの灯油タンク2回の給油で十分足りています。(以前は毎月給油していました)