パネルヒーターは「インテリア」と「快適な温熱環境」を両立する選択肢

特筆すべきは、土間スペースの壁面に設置された背の高い縦型のパネルヒーター。一見するとモダンなオブジェのようですが、ここには驚きの工夫が隠されています。専用のフックを取り付けることで、コート掛けとしても機能するのです。雪や雨で濡れたアウターを掛けておけば、パネルヒーターの熱で優しく乾燥させつつ、冷えやすい玄関全体を温めることができます。

木製の格子の建具や、大きな観葉植物のナチュラルな雰囲気にも、スタイリッシュなホワイトのヒーターが違和感なく溶け込んでいます。「空間に合わせて高さをオーダーする」ことで、限られた玄関スペースを圧迫せず、意匠性を高めることに成功しています。冬の冷気もシャットアウトし、家に入った瞬間から上質な暖かさを約束してくれる、賢い選択です。

広い空間において「暖房効率」と「デザイン」の両立は悩みどころですが、この事例ではヒーター自体を「透ける間仕切り」として採用しました。視線を遮りすぎないスリット状のデザインにより、リビングとダイニングを緩やかにゾーニングしつつ、光や家族の気配はそのまま通します。 もちろん機能面も優秀です。輻射熱（ふくしゃねつ）による暖房は風を起こさないため、ハウスダストを巻き上げることなく、吹き抜け空間全体をムラなくポカポカに。無垢材の床やテレビ背面のウッドパネルと調和するよう、シンプルで洗練されたデザインを選定できるのもオーダーメイドならでは。インテリアの一部として暖房を愛でる、新しいリビングの在り方です。

カウンター下のニッチな空間に、サイズを合わせてオーダーした横型のパネルヒーターをジャストフィットで設置。出っ張りを最小限に抑えているため、動線の邪魔にならず、見た目もスッキリとしています。ブルーのタイルや可愛らしいペンダントライト、カラフルなスツールといった北欧風のインテリアを邪魔しない、控えめな存在感が魅力です。 パネルヒーター特有の「陽だまりのような暖かさ」は、食事中や家事の合間にほっと一息つく時間をより豊かにしてくれます。やけどの心配が少ない表面温度なので、小さなお子様がいるご家庭でも安心。必要な場所に、必要なサイズで。空間の用途に合わせてあつらえる、まさに「上質な暖かさ」の体現です。